学校便りNo.2 (H23.5.18発行)

2011年05月20日(金)

学校便りNo.2 (H23.5.18発行)

これから始まるて



校長 板垣 清

 このたびの大震災で、多くの人命が失われ、今なお厳しい避難生活を余儀なくされている多くの人たちがいます。

連日の報道を見聞きするにつけて、頭に浮かぶことが2つあります。



 一つは、初めて学級担任をした遠い昔のことです。

山間の小中併設校で、中学1年生11人の学級でした。

そのうちの一人に、さらに山奥の開拓村から通ってくる小柄な女子生徒がいました。

その年の秋、その子の母親が亡くなったという知らせがあり、葬儀に参列することになりました。

裸電球の下、板の間にゴザが敷かれ、遺体をおさめた桶が置かれていました。

形ばかりの読経のあと、桶は縄をかけ棒を通して運び出され、畑の先の原野に埋けられました。

言われるままについて行き、手渡されたスコップで土盛りを手伝いましたが、後にも先にも土葬に加わったのはこの一度きりで、少し手が震えました。

「生きる」ということの現実を前に、あの時は、自分はこんなふうになりたくないなどと不埒なことしか考えられませんでした。

「いのち」、「生きる」ということを考え、「生きる力」という言葉を目にすると、この時の光景をつい思い出します。



もう一つは、数年前に勤務した学校でのことです。

生徒数人が交代で、読んだ本を紹介する「私が勧める本」という掲示コーナーがありました。

ある時、「左利きに捧げる本」という本を紹介したSくんの文が掲示されました。

紹介は「この本はこれで終わるのではなく、これから始まるということを教えてくれる」という言葉で締めくくられていました。

Sくんは、口数の少ない目立たない少年でしたが、読書を通して前途への希望をつかんだように思えて、嬉しくなりました。

読書に限らず、授業で、特別活動で、部活動で、このようなとらえ方ができるようにすることを、私たちは目指さなければならないと思います。



 2ヶ月が過ぎた今もなお、震災関連の報道に多くの紙面や時間が割かれています。

今回は、不安を煽りミスや不手際を高みから批判するものばかりでなく、復興に向けて行動する多くの人たちの姿も紹介されています。

直接災害に遭われた方々のみならず、全国の多くの方々が、自分ができることは何かということを真剣に考え、身の丈にあった支援をし、それぞれの仕事を通した行動をおこしています。

そのことと「これから始まる」というSくんの言葉、そして「生きる力」は重なります。

こういう時に発揮される力こそ私たちが目指す目標と言えます。



更新日:2011年05月20日 09:40


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