学校便り (H24.3.16発行)

2012年03月27日(火)

学校便り (H24.3.16発行)

第45回卒業式 校長式辞より



校長 板垣 清

 今年は何年かぶりの大雪で、グランドはいまだ雪に覆われていますが、寒暖を繰り返しながらも、春が着実に近づいてくる気配が感じられる季節となりました。



 本日、天童市教育長 水戸部知之様、PTA会長東海林直樹様はじめ、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席のもと、天童市立第一中学校第四五回卒業証書授与式を挙行できますことは、大きな慶びです。



 ご来賓の皆様方には、ご多忙のところご臨席賜り、卒業生への祝福と温かい励ましをいただき、誠にありがとうございます。



 保護者の皆様、御家族の皆様、お子様方の御卒業まことにおめでとうございます。

心よりおよろこび申し上げます。



 卒業生の皆さん。

卒業おめでとう。

本日をもって、義務教育の九年間は、みなさんにとっては過去となります。

明日からは、新たな出会いを求めて前へ前へと進んで行くことになります。

自分を見失うことなく、歩み続けてください。



 震災から丸一年が過ぎ、東北に生きる私たちにとって、今年ほど、今を生きる意味、今自分ができることを問われた年はなかったように思います。

春の生徒総会でも話し合いが深められ、以後の諸活動への取り組みに少なからず影響したように思えてなりません。

少なくても、罵り合いや奪い合い、自己中心の考え方が物事の解決や困難を乗り越える力にはならないということに多くの人が気づいたのではないかと思います。



 今年は、修学旅行を秋に実施するなど、年間計画の大きな変更もあり、何となく落ち着かない状況での出発でしたが、みなさんは、大きく動揺することもなく、日々の学習をはじめ様々な活動へのひたむきな熱意を最後まで持続することができました。

部活動におけるかつてない栄光の数々、さらには文化面でも多くの実績を残しました。

そして何と言っても活力祭、合唱コンクールは、まさしく一中の華でありました。

みなぎる力、心を合わせて声を出す姿には、意気あがる天童一中の勢いを見る思いがしました。

合唱コンクールは、校舎新築移転を見据えて、この体育館で開催することになりました。

市民文化会館のステージでという考えもあり、悩み抜いた挙げ句の選択でしたが、当日の美しい歌声が、見事に不安をかき消しました。

多くの困難に立ち向かい力を結集した結果だと思います。

人は、チャレンジした分だけ磨かれ、大きくなれるということを改めて知らされました。

この体験は、いつかきっと、みなさんが、自らの足で、自らの道を歩むための力になることと思います。



 夏目漱石の小説(「行人」)に、次のような一節があります。

    君は 山を呼び寄せる人だ
    呼び寄せてこないと怒る人だ
    地団駄を踏んで悔しがる人だ
    そうして山を悪く言う
    なぜ 山の方に歩いていかない。

 「願い」や「幸福」は、自らの足で探さなければ見えないものであり、求めなければ得られないということだと思います。

考えてみれば、当たり前のことです。

でも、世の中に物があふれ、お金さえ出せば何でも買えるとか、面倒なことは誰かがやってくれるとか、そんな考えが広がっている社会で生きている私たちは、多くの場面で、気付かないうちに「山を呼ぶ人」になっていないでしょうか。

山がこないからと言って、山を呪い、人を恨んで、何を得ることができるでしょうか。

みなさんには、「山を呼ぶ人」ではなく、「山に向かって歩いていく人」の生き方を選んでほしいのです。

歩いていけば、それなりの障害や困難も立ちふさがり、挫折や失敗も経験することでしょう。

しかし、それ以上に思いもかけない出会いや発見が、きっとあるはずです。

人生を切り開くかけがいのない出会いは、求める心、学び続ける心が、もたらすものです。



 臆することなく、進んでほしいのです。

失敗をおそれて立ちすくんでいては、道は開けません。

欠点・短所・あるいは間違いやしくじりは、絶望や無気力の理由にはなりません。

この世に欠点のない人、失敗しない人などはめったにいるものではありません。

多くの人は自分の欠点に悩み、失敗を繰り返しながらも懸命に生きているのです。

そもそも、かっこよく勝つことなど滅多にないことで、負けて唇を噛むことの方が遙かに多いものです。



 井の中の蛙は、広い世間は知らないかもしれない、けれども、この蛙は、井戸のなかから飽きるほど空を見上げて、空が、驚くほど多様で変化に富んでいることを誰よりもよく知ることができるでしょう。

のろのろ歩く人は、愚図だと笑われるかもしれない、でも、周りの景色を楽しむ心のゆとりと、誰よりも長く歩き続ける力を持つことができるでしょう。

口が重く話下手な人は、この上ない聞き上手になれるかもしれない。

そのとき、短所は短所ではなくなるのです。

たとえばどんな愚か者でも、自分が愚かだと気づいた瞬間に賢者になる。

足りないところがあるから、人は謙虚にもなり、素直に感動することができ、真実に気付くこともできるのですから。



 まもなく桃の花匂い、風薫る春、生命が躍動する季節です。

皆さんが、一歩ずつ自らの足で歩み、山に近づくことを、願っています。

いつも希望を胸に抱き、焦らず、慌てず、あきらめず、歩んでください。




       平成24年3月16日
                 天童市立第一中学校 校長 板垣 清

更新日:2012年03月27日 10:46


:arwright: トップページ :arwright: 新着情報 :arwright: 学校ブログ :arwright: 連絡事項
:arwright:
学校便り :arwright: 行事予定表 :arwright: 部活動紹介 :arwright: 学校いじめ防止基本方針
:arwright: ご案内 :arwright: 学校経営 :arwright: 学校ホームページの作成上のガイドライン :arwright: 特色 :arwright: 校歌 :arwright: 沿革
Total522744 7days1508 Yesterday224 Today137 IP check in 30 min Since 2009-03-09